デンタルPOS®・POMR診療のステップ
デンタルPOS®での診療ステップ | 診療の目指すべき目的 | Opt.oneのソリューション |
1.基礎データの収集 | 患者の主訴・生活歴・既往歴・視診から患者の情報を集める | 問診票・視診 |
2.問題リストの抽出 | 患者の問題を抽出し、治療方針を決め計画を立てる | 問題リスト抽出サポート機能 |
3.初期治療計画 | 診断のために必要な診査・検査、必要な処置・薬物療法・外科的治療の計画を立てる | POMR式診療録入力 |
4.患者への説明 | 症状・病因の説明、処置方法とその利点・欠点について説明しカルテ記載する | インフォームドコンセント・ツール |
5.経過記録 | 日々の診療記録をSOAP方式でカルテ記載 | SOAP式カルテ記載サポート |
デンタルPOS®医療とデンタルPOMRカルテ導入のメリット
デンタルPOS®による診療録(デンタルPOMR)は、治療過程をエビデンスに基づいて論理的・科学的に記載できます。
従って誰にでも明確に説明できる記録が可能となります。以下のような多くのメリットがあります。
- インフォームドコンセント提供 による患者さんや家族への治療内容の説明力強化
- POS医療理論に基づくPDCAサイクル(初期計画 Plan → 治療 Do → 監査 Check → 改善 Action)の推進による治療内容の高品質化
- 歯の問題プラス患者さんの全人的ケアに焦点をおいた医療記録の実現
- 医師、歯科衛生士、スタッフ間のチーム医療 のレベルアップ
- 歯科以外の疾患を持つ高齢者治療における、医科歯科連携の実現
- 厚生労働省の指導に対応できる高品質カルテによる、カルテ開示・個別指導の強い味方
- 患者コミュニケーションがわかりやすくなることによる患者さんの信頼獲得と、
結果、リコール率アップと増患への期待。
こんにちは。看護師の川邉綾香です。
私たち訪問看護師が、日々作成する「看護記録」。
看護師として働いている方の中には、「看護記録を書くのが苦手」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。
なぜ、看護記録をなかなか書けないのか?
その解決のヒントとして、かわべクリニックでの看護記録作成方法をご紹介したいと思います。
POSとSOAP形式
■POSとは?
POSとは「問題志向型システム(Problem Oriented
System)」の略称で、患者さまの持つ「問題」を治療の軸とし、その問題に沿って治療や医療・看護を展開する治療過程のことです。
■SOAPとは?
このPOSをベースに、患者さまの問題にフォーカスして以下のようなSOAP形式で看護記録を作成します。
SOAPとは? | ||
S(Subject) | 主観的情報 | 患者さまが訴えていること |
O(Object) | 客観的情報 | 所見や診察・検査から得られたS以外の情報 |
A(Assessment) | アセスメント | SとOの情報に対し、看護師が考えたこと |
P(Plan) | 看護計画 | Aに対し看護師が必要だと思ったケアや処置、行動等 |
■SOAP形式での看護記録作成のポイント
SOAP形式での看護記録には、2つのポイントがあります。
(1)医療従事者である看護師が「何を考え、何を行ったのか」がわかる内容であること
(2)誰(どの職種の方)が見てもわかる文章でなければならないということ
看護記録を記載するときに一番重要な部分は「A:アセスメント」と「P:看護プラン」であり、それらを証拠づけるために「S:主観的データ」と「O:客観的データ」があります。
「A:アセスメント」と「P:看護プラン」が想定できれば、あとはそれに紐づく「S:主観的データ」と「O:客観的データ」を継ぎ足して、文章を肉付けするだけ。
つまり、看護記録のなかで重要となるのは、「A:アセスメント」と「P:看護プラン」。
この2点が、看護師が「何を考え、何をしたのか」を証明する重要な部分であり、看護師として技術力や知識力がものをいう部分になります!
■まずは「A:アセスメント」から書いてみる!
それでも、なかなか看護記録が書けないという方も多いことでしょう。
そこで、まずは「A:アセスメント」から書いてみます。
患者さまの「今の問題」「今の苦しみ」「今これが必要だ!と思ったこと」は何かを思い浮かべ、
患者さまが話したことや患者さまから得た情報から、どのような苦しみがや問題があり、
それに対して自分は何が必要だと思ったのかを考えてみましょう。
ケーススタディ
モデルケースを例に、2種類の看護記録を比較して考えてみます。
・胃癌で胃切除後、認知症、独居 87歳の患者さま
・訪問看護師、訪問薬剤師、訪問管理栄養士、ヘルパー介入あり
┌<パターン1>──────────────────────────
│S)朝はいつも6時ごろに起きて6時半に食べます。
│今日は食パン、チーズ、トマト、コーヒーです。
│朝の薬まだです。すぐに忘れてしまうので誰かに声をかけてもらってます。
│食べた後は胸のあたりに違和感があるけど、時間とともになくなる。
│夜は、2~3時間おきに目が覚めます。
│
│O)腹鳴良好。湿性咳嗽あり。昨日排便2回/日。
│
│A/P)不眠に対しロゼレム8mgでは良眠できないと、本日ベムソムラ錠15mgを追加処方。
│食後の胸部不快感は時間とともに消失するため様子観察とする。
└─────────────────────────────────
┌<パターン2>──────────────────────────
│S) 食べた後は胸のあたりに違和感があるけど、時間とともになくなる。
│朝はいつも6時頃に起きて6時半に食べます。今日は食パン、チーズ、トマト、コーヒーです。
│朝の薬まだです。すぐに忘れてしまうので誰かに声をかけてもらっています。
│夜は、2~3時間起きに目が覚めます。
│
│O)腹鳴良好。昨日排便2回/日。
│朝食摂取後も内服忘れあり、眠剤もタペストリーに残っている。湿性咳嗽あり。
│
│A/P)胃切除後でもあり、食後の胸部不快感が軽減するには時間を要する旨を説明。
│食事の回数、1回の食事にかける時間、食べ物の内容等で症状が改善する場合もあるため、
│栄養士からの指導も依頼へ。
│不眠に関しては、ベムゾムラ錠15mgを追加して間もないためもうしばらく経過観察とする。
│薬に関しては、飲み忘れもあり、介入時声掛け誘導を継続。
└─────────────────────────────────
■事前の予習が大切!
このモデルケースの場合、以下のような問題点が考えられます。
(1)胃切後のダンピング症候群が起きていないか、術後トラブルは起きていないか
(2)独居での生活に支障がないか
(3)内服管理が行えているか
それぞれの問題に対して、パターン2では「どのように考え」「どのような対策を行うのか」がA/P)に書かれており、
そのA/P)に至った情報収集がS)とO)に記載されています。
パターン1と見比べると一目瞭然ですね!
パターン2のような看護記録を書くためには、事前の予習が大切。当クリニックでは必ず訪問前に、予習(予測)を行っています。
この予習では、全てを書き出すのではなく、本当に重要なことを数点挙げておくことがポイント。
その「本当に重要なこと」を見つけ出す方法は、患者さまの病状・病態の把握はもちろんのこと、療養における支障がないかもきちんと考える必要があります。
それが看護の力です。
患者さまを訪問する前から、看護はスタートしているのです!
SOAP形式での看護記録作成をはじめてみたいと思った方は、ぜひ一度かわべクリニックにお越しください!
※関連記事
【看護記録(SOAP)が書けないあなたに!事例を通して学ぶ】
(1)今日の看護の目的は何!?
(2)抽象的な事を書いて計画を立案した気になってはいけません!
(3)実施内容はOじゃないんです!(Coming Soon)
(4)もっとアセスメントを深めなさい!(Coming Soon)
(5)初回訪問で見えてくる患者像(Coming Soon)
POSとは、患者のもっている医療上の問題に焦点を合わせ、その問題を持つ患
者の最高の扱い方(best patient care)を目指して努力する一連の作業ジステムであ
る。このシステムは、単に新しい方法での診療記録を作ることではなく、作成
したものを監査し、患者の完全な科学的診療記録として修正して患者のケアに
役立てる仕組みを提供するものである。_
POSは次の三段階によって構成される。
第1段階:Problem Oriented Medical Record(POMR:問題志向型診療記録)
の作成
第2段階:POMRの監査(記録中の欠陥を発見する方法)
第3段階:記録の修正(欠陥を修正して完全な記録を仕上げる方法)
第1段階一Problem Oriented Medical Record (POMR:問題志向型診療記録)
1.基礎データData Base
患者の生活像(patient profile)、病歴、診察所見、検査データ
2.問題リストProblem List
病名(診断)、診断やケアに役立つ問題としての症状なり所見、社会的問題、
精神的問題
3.初期計画1nitialPlan
問題リストの一つ一つに対して計画を立てる。
a.診断上、また、患者ケア上に必要な諸作業計画Diagnostic Plan
b.治療上の計画Therapeutic Plan
c.教育的計画Educational Plan
4.経過記録Progress Notes
a叙述的経過ノート(Narrative Notes) S,0,A,P
S;Subjective or Symptomatic
患者が直接提供する主観的情報
O;Objective
医師や看護婦が取り出す客観的情報
A;Assessment
医師や看護婦の判断
P;Plan
患者の診断、治療指針、患者への教育
b経過一覧表(Flow sheets)
5.退院時要約Discharge Summary
第2段階一POMRの監査(Audit)
1.患者のケアの記録作成が適正であるかないかを明確にさせる。
1)基礎データとして、どういうものが明確にもちこまれているか
2)どのように問題点がとりあげられ、整理されているか
3)計画の中の3つの項目(診断、治療、教育)について、何が見いだ
されるか
4)経過ノートの中の4つの項目について、何が見いだされるか
2.1.にあげた医療行為が
1)徹底して(thoroughly)
2)信頼のおけるように(reliably)
3)能率的に(efficiently)
になされているかどうかを監査する。
3.記録の中の欠陥を確認し、修正する。
第3段階_記録の修正
POMRの監査によって、POMRの欠陥が発見される。この欠陥の修正は非
常に教育的であり、患者のケアに大きな利点をもたらすものとなる。
POMRのチェックリスト
Data base :
Data baseは十分であるか?problemを解決するに当たり、全ての情報がそろっているか?そのdataは患者の年齢、性に合致しているか?
そのdata baseは信頼に値するか?病歴や身体所見は正しくとられているか?インターンの先生とレジデントの先生の所見に食い違いはないか?
Work-upを仕上げるための時間は無駄に長くないか?
Problem list :
全てのabnormal dataはproblemとして記録され、系統だって述べられているか?
Problem listは推測や印象またはrule-outにとらわれていないか?
Problemはactiveな問題とinactiveな問題とに分けられているか?
関連したproblemは一つにまとめられているか?
適度な時間でそのproblem listは解決できるか?
Problem listは日々更新しているか?
Initial plan:
各problemにplanが立てられているか?
Rule-outすべきものに優先事項をつけ各々の可能性を解決する明確なplanが立てられているか?
各problemに明確で包括的な目標が設定されているか?
各problemに正確な秩序立った解決方法があるか?
各種検査や画像のオーダーは適当かどうか?
Progress Note:
各problemの経過をカバーしているか?
Planの経過はfollowされているか?
新たな情報や修正されたplanにより論理的な解決が導かれているか?
最初に、適切なproblemが調べられているか?
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