おはようございます。 当ブログの読者の方から、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)とeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)のどちらを選択すべきかにつき、以下のご質問をいただきました。 いつも楽しく拝見させていただいております。 35歳の公務員のKoichiroと申します。 毎度、有益な気づきを与えていただき、感謝しております。 本年、娘の誕生をきっかけに長期にわたる資産形成の重要性を感じ、コロナショック渦中の2020年4月に投資信託にて投資をスタートしました。 ◆家族構成 私(35歳、公務員) 年収600万円 妻(37歳、専業主婦) 娘(5ヶ月)
◆資産(2020年4月~) つみたてNISA(夫婦2名分) eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 計80万円 ジュニアNISA eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 80万円 iDeCo eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 9.6万円(本年5月~) ※生活防衛資金は別でキャッシュにて確保 私は、ちゅり男先生の「世の中の95%以上の普通の人はVT一本買って放置をおすすめ」とのお話に強く共感をしております。 低い信託報酬、世界分散、自動リバランスと欠点の少ない特性は、長期の積み立てを前提とした私自身のインデックス投資の方法に、現時点で最も適した商品のように感じております。 ついては、1点、細かなことで恐縮ですが、教えていただきたいことがあり、ご連絡をさせていただきました。 私はキャッシュ(日本円)にて預金をしているため、あえて日本株を外したeMAXIS
Slim 全世界株式(除く日本)にて積み立てを行っておりますが、この判断についてどうお考えでしょうか。 やはりeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)で日本株も含め、まんべんなく分散した方がいいでしょうか。 日本株を含むeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)において日本株が占める比率は直近で6.8%と決して高くはなく、 結果としてeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の差異はあまりないのではと感じているのですが、 細かい性格のためつい気になってしまい、ご質問をさせていただいた次第です。 ご多忙な中、細かな質問で恐縮ですが、どうかよろしくお願いいたします。 ご質問ありがとうございます。 eMAXIS
Slim全世界株式の「除く日本」と「オール・カントリー」の違いは日本株を含むか否かですが、そもそも全世界株のうち日本株の占める割合は7%程度に過ぎないため、どちらを選んでも大差はありませんね。
eMAXIS Slim全世界株式は「除く日本」と「オール・カントリー」のどちらを選ぶべきか?
結論から申し上げます。
1) ご自身で記載されている通り、eMAXIS Slim全世界株式の「除く日本」と「オール・カントリー」の違いは日本株を含むか否かです
2) 日本株が占める割合は約7%程度ですので、両者のパフォーマンスが大きく変わるとは考えられません
3) よって、この2つは完全に好みで決めてしまってOKです。私は、オーソドックスな全世界分散投資が好みなので、オール・カントリーの方をおすすめしています
以下、掘り下げてみていきます。
1. eMAXIS Slim全世界株式の「除く日本」と「オール・カントリー」の成績は近似する
ポートフォリオに占める日本株の割合が30%〜40%もあれば、両者のパフォーマンスには大きな差が出るでしょう。
しかし、実際にはオール・カントリーの中の日本株の割合は6.7%程度に過ぎません。
よって、両者のパフォーマンスはほぼ同じものになります。
オール・カントリーが発売されて以降の両者のパフォーマンスをグラフで比較したものが以下の記事に載っていましたが、やはりほとんど差がありませんでした。
toushi-ino.hatenablog.com
将来的に、バブル期のように日本株の時価総額が世界トップクラスに躍り出る可能性があるならば話は別ですが、極端な少子高齢化社会を迎えること、十分なイノベーションが生まれていない産業構造などを考えますと、厳しい気がします。
とはいえ、私自身は日本株に超悲観的なわけでもなく、世界平均よりは良いパフォーマンスを残す可能性も十分あるのではと考えています。
2. 「除く日本」と「オール・カントリー」のどちらを選ぶかは自分の考え方次第
「除く日本」と「オール・カントリー」のどちらがより優れているかという問題は、数十年後になって過去を振り返ってみないと絶対に答えの出せない問題です。
答えが出せない上に、理論上は大きなパフォーマンス差は生じない可能性が高いのであれば、それ以上細かく考えても時間の無駄でしょう。
あとは個々人の信念の問題だと思います。
「貯金もあるし、毎月の給料も円でもらうわけなので、円資産に関してはそれで十分」
「株式に関しては外国株だけで運用したい」
と考えるのならば、除く日本を購入すればよいです。
一方、
「たかが7%程度しかない日本株をわざわざ外す理由もない」
「日本株に悲観的な見方も多いけれど、将来のことなど誰にもわからないのだから市場丸ごと購入した方がシンプルでわかりやすい」
と考えるのであれば、オール・カントリーでよいのではないでしょうか。
私自身は、どちらかというと後者の考えに近いので、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)をおすすめしています。
ブログも書籍も結局は人間が書いたものですので、その書いた人の考え方というかバイアスからは逃れられません。
最終的には、自分の頭で考えて納得いく結論を出す勇気が必要でしょう。
まとめ
eMAXIS Slim全世界株式の「除く日本」と「オール・カントリー」の差はほぼありません。
日本株の割合が7%程度に過ぎないわけですから、ある意味当然とも言えます。
よって、各個人の投資に対する考え方、投資に求めるものを明確にし、納得できる理由付けをした上で購入することが重要だと思います。
【おすすめ書籍】
1. ブレインメンタル強化大全
精神科医の樺沢先生の書かれたブレインメンタル強化大全は、現代人が身につけるべき良質な習慣について、網羅的に分かりやすく解説された良書です。
人生が良い方向に向かうかどうかは毎日の何気ない習慣によるところが大きいです。
ぜひ本書を読んで勉強しましょう。
樺沢 紫苑 サンクチュアリ出版 2020年09月03日頃
2. 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!
インデックス投資に関する書籍は多数ありますが、山崎先生の本は内容がまとまっていて読みやすく、おすすめできます。
山崎元/大橋弘祐 文響社 2017年11月29日頃
こんな記事も書いています。
オーソドックスな国際分散投資であれば、何も考えずeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を購入すればよいだけです。
www.churio807.com
長期投資は航海に似ています。自分の価値観、投資に対する考え方を明確にし、その信念にあった商品を購入し続けることが重要です。
www.churio807.com
私は、キャッシュ+VTというのはシンプルかつ最強に近いポートフォリオだと考えています。
物事を複雑にするのは簡単ですが、シンプルに保つということは意外に難しいです。
www.churio807.com
こんにちは、ロバート・カワサキです。
楽天証券で全銘柄ランキング3位※の
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)。
既に保有している個人投資家も多いのではないでしょうか。
似たような商品で、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
があるのをご存じでしょうか?
(ちなみに、楽天証券で全銘柄ランキングでは12位※
となっています)
これからeMAXIS Slim全世界株式の購入を検討している人にとって、
「オールカントリー」がいいのか、「除く日本」どちらがいいのでしょうか?
今回は、この両者について比較・解説していきます。
※2021年12月現在の買い付けランキング
この記事を読んでもらいたい人
この記事は、こんな方に読んでもらえると役に立ちます。
- eMAXIS Slim全世界株式の購入を検討している人
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と(除く日本)の違いを知りたい人
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と(除く日本)どちらが合っているか知りたい人
結論
eMAXIS Slim全世界株式「オールカントリー」と「除く日本」どちらがいいのか?
結論から言うと、どちらも大差はありません。
どちらを選ぶかは、好みの問題です。
ただし、細かい部分では評価が分かれます。
- 直近のトータルリターンを意識するなら、「除く日本」
- 人気度・資金流入状況を気にするなら「オールカントリー」
- 日経平均インデックスファンドやTOPIXインデックスファンドをすでに保有しているなら、「除く日本」
そもそも eMAXIS Slimシリーズって?
eMAXIS Slimシリーズ っていろんな商品があるのをご存じでしょうか。
今回は、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と(除く日本)の2商品に絞って
記事を書いていますが、実は eMAXIS Slimシリーズ って結構商品が多いんです。
なんと、全部で13商品!
対象地域は、国内・先進国・新興国。
投資対象資産は、株式・債券・リート・バランス。
ほぼ、全方向を対象とした戦略的な商品ラインナップですね。
ただ、商品が多いだけに選ぶときはしっかり比較・検討することがポイントとなります。
eMAXIS Slim全世界株式とは
eMAXIS
Slim全世界株式(オールカントリー)と(除く日本)を比較する前に、
eMAXIS Slim全世界株式の概要を見てみましょう。
eMAXIS Slim全世界株式という投資信託は、
「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」という
株価指数に連動している投資信託です。
有名な株価指数だと、S&P500や日経平均株価などがあります。
これらの株価指数に連動するのがインデックス型投資信託になります。
なので、eMAXIS Slim全世界株式はインデックス型投資信託になります。
インデックス型投資信託は、手数料も安く長期投資向きなので、
投資初心者と相性が良いと言われています。
次に投資対象先ですが、「全世界」という名前の通り、
世界各国が投資対象です。
大きく「先進国」と「新興国」の2つに分けられます。
先進国の代表は、アメリカ、イギリス、フランス、カナダなどの22カ国。
新興国の代表は、中国、台湾、韓国、インド、ブラジルなどの27国。
ここで「オールカントリー」と「除く日本」の違いが出てきます。
先進国に日本を含んでいるのが、「オールカントリー」。
日本を含んでいないのが、「除く日本」です。
ではこれから、「オールカントリー」と「除く日本」の各項目について比較してみましょう。
投資先国比較
「オールカントリー」投資先国
「オールカントリー」の投資先国は下記の通りです。
オールカントリーといっても、アメリカが57.8%で投資先国1位となっています。
そして、日本が大きく割合を減らして6.5%で2位に入っています。
次いで、イギリス3.8%・フランス2.9%・カナダ2.9と続きます。
こう見ると、オールカントリーといいつつ、ほぼ先進国株式ですね。
とはいえ、投資先を適切な比率で分散させるという意味では優れています。
「除く日本」投資先国
「除く日本」の投資先国は、下記の通りです。
大きく内訳は変わっていませんが、日本が抜けた分、アメリカの比率が
57.8%から61.8%に増加しています。
新興国では、中国が4.9%から5.3%と微増していますね。
資産内訳比較
「オールカントリー」資産内訳
「オールカントリー」の資産内訳は下記の通りです。
88%が国際株式となっています。
日本の国内株式はわずか6%となっております。
債券は含まれておらず。わずかに国際REITが2%です。
ほぼ株式投資といってもいいですね。
「除く日本」資産内訳
「除く日本」の資産内訳は下記の通りです。
単純に日本の国内株式を、国際株式に組み替えただけですね。
実にシンプルです。
「オールカントリー」VS「除く日本」主要項目比較
次に各主要項目の比較をしてみましょう。
純資産総額
純資産総額については、30億円以上であればまずはクリアでしょう。
「オールカントリー」の純資産総額は約3,777億円。
「除く日本」の純資産総額は、約1,079億円。
両社とも30億円を余裕で越えているのでクリアですが、
「オールカントリー」の方が人気が高いためか、3倍上の開きがありますね。
信託報酬等
これは、両者とも同じ0.11%。
かなり安いので、長期積み立てでも問題無いでしょう。
トータルリターン(3年)
トータルリターン(3年)に関しては、2021年11月30日現在のデータでは、
「除く日本」が17.40%
「オールカントリー」が16.80%
わずか0.6%ですが、「除く日本」の方に軍配が上がります。
チャートでも見てみましょう。
ちょっと分かりづらいですが、赤い折れ線グラフが、「除く日本」。
オレンジの折れ線グラフが「オールカントリー」です。
2020年までは、ほぼ同じ推移ですが、2021年中旬頃からは、
「除く日本」のほうが、「オールカントリー」をわずかに上回りはじめています。
将来はどうなるか分かりませんが、直近のリターンを重視するなら、
「除く日本」を選んだ方が良さそうです。
シャープレシオ(3年)
シャープレシオとは、投資のリターンをリスクで割った数値です。
高ければ、高いほど取っているリスクに対して効果的に稼げていることになります。
判断基準は、1を超えているかになります。
1を超えていれば優秀な投資信託と言えます。
シャープレシオ3年で比較すると、
「除く日本」が0.93%、「オールカントリー」が0.92%です。
わずかに「除く日本」の方が優秀ですが、ほぼ互角でしょう。
標準偏差(3年)
「標準偏差」は投資信託では、値動きのブレの幅です。
簡単に言えば、どれだけの値動きに耐えられるか。
という投資家のリスク許容度を判断する際に必要な指標です。
標準偏差が大きいほど値動きのブレ大きいので、特に下振れした場合に
投資家がどれだけ耐えられるかがポイントとなります。
標準偏差3年で比較してみると、
「除く日本」が18.77、「オールカントリー」が18.37です。
「除く日本」の方がわずかに値動きが大きいですが、
ほぼ同じと考えて問題ないでしょう。
資金流入額・トラッキングエラーの比較
資金流入額とトラッキングエラーも比較してみましょう。
資金流入額
「資金の流入状況」からは、投資信託の購入状況と解約状況が分かります。
資金の流入よりも、解約による資金の流出が多くないかチェックする必要があります。
まずは、「オールカントリー」の月次資金流出入額を見てみましょう。
多少の凸凹はありますが、流入が右肩上がりで順調に推移しています。
目立った流出もありません。
次に「除く日本」の 月次資金流出入額を見てみましょう。
「除く日本」も多少の凸凹はありますが、流入が右肩上がりに推移しています。
目立った流出もありません。
1点注目すべき点は、金額です。
「オールカントリー」のグラフの上限数値が300億円に対し、「除く日本」の上限数値が60億円です。
単純に流入金額だけで考えると、「オールカントリー」の方が多くなっています。
これは、「純資産」も3倍程度の差があったので当然といえば当然です。
人気でいえば、「オールカントリー」>「除く日本」の図式となっています。
トラッキングエラー
最後にトラッキングエラーです。
トラッキングエラーは、インデックス型投資信託の場合に、確認する項目です。
β値と呼ばれるものが1に近いほど、設定している指標に連動していると言えます。
まずは「オールカントリー」のβ値を見てみましょう。
β値(3年)で見ると1.02なので、かなり指標に連動しています。
次に「除く日本」のβ値を見てみましょう。
β値(3年)で見ると1.03なので、こちらもかなり指標に連動しています。
「オールカントリー」と「除く日本」両社ともほぼ互角です。
まとめ
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
最後にまとめです。
- eMAXIS Slimシリーズは種類が多いので、間違いえないようにしましょう。
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と(除く日本)どちらを選ぶかは、好みの問題。
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)といっても、ほぼ先進国株式で約6割は米国株式。
- 投資先をより分散したいなら、オールカントリー。
- 投資先から日本を外したいなら、除く日本。
- すでに日経インデックスファンドやTOPIXインデックスファンドを保有しているなら、除く日本。