いつものようにパソコンを立ち上げてWebブラウザーを開いても何も表示されない、あるいはクラウドに保存したはずのWordやExcelのファイルが見当たらない……そんな経験はないでしょうか。そのような場合、インターネットとの接続がうまくいっていない可能性があります。
インターネットとの接続がうまくいかないときの原因はいくつか考えられます。ネット接続のトラブル解決に役立つチェックポイントをまとめました。
ポイント1:スマホがつながるかをチェック
「パソコンがインターネットにつながらない!」という場合、パソコン本体に不具合がある場合と、Wi-Fiルーターまたはモデム(光回線の終端装置など)に不具合がある場合が考えられます。
パソコンが悪いのか、ルーターが悪いのかを見極めるために、パソコンを開かなくてもどこにトラブルがあるかを確認することができます。それは、スマートフォンで自宅のWi-Fiルーターに接続する、という方法です。
スマートフォンの設定から「モバイルデータ通信」をOFFにし、自宅のWi-Fiルーターに接続した状態で、インターネットにつながっているようであればWi-Fiルーターやモデムではなく、パソコン単体の異常である、ということになります。
▲Androidの場合の画面(一例)
▲iOSの場合の画面
ここでつながった場合、次にパソコン本体をチェックします。チェックする際のポイントを見ていきましょう。
ポイント2:パソコンをチェック!
「ネットワークの状態」を確認する
パソコンとネットワーク接続の状態は「ネットワークの状態」から確認できます。開くには、Windowsキーを押して表示された歯車アイコン「設定」から「ネットワークとインターネット」をクリック、またはタスクバーの通知領域「ネットワーク」をクリックして表示される「ネットワークとインターネットの設定」をクリックすれば表示されます。
インターネットにうまく接続されている場合は、「パソコン」「Wi-Fiルーター(アクセスポイント名)」「インターネット(地球儀マーク)」が実線で結ばれています。
しかし、何らかの理由で接続されていない場合はWi-Fiルーター(アクセスポイント名)から先が、点線で表示されます。この場合は、Wi-Fiルーターに問題があります。
あるいはパソコンとインターネット(地球儀マーク)の間が点線で表示されます。この場合はパソコンに問題があります。
どちらかよくわからないという場合は、「トラブルシューティング」ボタンをクリックしてみましょう。
すると、どのような手順を踏めばよいかがわかる場合があります。この例ではワイヤレス機能がOFFになっていました。「この修正を適用します」をクリックして、Wi-FiをONにし、ネットに接続できるようにしましょう。
橋渡し(ドライバー)が不調な場合も
パソコンにはさまざまな部品があり、それらを使えるようOSとの橋渡しをするのが「ドライバー」と呼ばれるソフトウェアです。そして、ワイヤレス機能を提供している部品(Wi-Fiモジュールなど)とOSの橋渡しをしているドライバーも存在しています。
ただ、購入してから時間が経っていると、セキュリティー上の問題を解決すべく、部品の提供会社が更新ソフトを配布することがあり、それを見逃して更新を怠っていると、あるとき突然つながりにくくなってしまうという場合があります。完全につながらなくなると、更新ソフトをダウンロードすることもできなくなるので、インターネットに接続できているうちに、ドライバーを更新しましょう。
ドライバーを更新する方法は、以下のとおりです。
1. エクスプローラーから「PC」を右クリックして表示されたショートカットメニューから「管理」を開く
2. コンピューターの管理画面からデバイスマネージャーを開く
3. ネットワークアダプターの中から該当するネットワークアダプターを探す
ネットワークアダプター名は、メーカーによって異なります。「Wireless」「Adapter」「Controller」などの単語を頼りに探します。
4. 右クリックして表示されたショートカットメニューから「ドライバーの更新」を選ぶ
5. ドライバーを更新する
インターネットに接続できている場合は「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」を、つながっていない場合は「コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索」をクリックします。
6. 再起動する
ここまで完了したら、パソコンを再起動します。
ドライバーを再インストールする
この方法でもだめなときは、ドライバーを再インストールするとうまくいくことがあります。ただし、この方法では、一歩間違えるとワイヤレス機能が一時的に完全に使えなくなってしまいます。慎重に操作しましょう。
1. エクスプローラーから「PC」を右クリックして表示されたショートカットメニューから「管理」を開く
2. コンピューターの管理画面からデバイスマネージャーを開く
3. ネットワークアダプターの中から該当するネットワークアダプターを探す
ネットワークアダプター名は、メーカーによって異なります。「Wireless」「Adapter」「Controller」などの単語を頼りに探します。
4. 右クリックして表示されたショートカットメニューから「デバイスのアンインストール」を選ぶ
5. アンインストールする
デバイスのアンインストールダイアログボックスが表示されます。どこにもチェックを入れずに「アンインストール」ボタンをクリックします。もし、間違えて「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します。」にチェックを入れてしまった場合の解決方法は後述します。
6. 再起動する
ここまで完了したら、パソコンを再起動します。
ドライバーソフトウェアを削除してしまった場合は再インストール
ドライバーの再インストールの手順「5」で「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します。」にチェックを入れてしまった場合には、次の方法で再インストールすることができます。完全に削除されてしまうため、Wi-Fiの設定もなくなっているので、再インストール後は、Wi-Fi設定を改めて行いましょう。
1. コンピューターの管理からデバイスマネージャーを開く
2. 「ほかのデバイス」からネットワークコントローラーを探しドライバーの更新を行う
これまで表示されていなかった「ほかのデバイス」という項目が見つかり、その下に「ネットワークコントローラー」が表示されるようになります。右クリックしてショートカットメニューを表示させ、「ドライバーの更新」をクリックします。
3. ドライバーを検索してインストールする
「ドライバーの更新-ネットワークコントローラー」ダイアログボックスが表示されるので、「コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索」をクリックします。
4. 検索先を選ぶ
「フォルダーの参照」ダイアログボックスが表示されるので、「パソコン」から「OS」を選びOKボタンをクリックします。
5. 「次へ」をクリックする
6. ドライバーの更新が完了する
「ドライバーが正常に更新されました」と表示され、先ほどアンインストールしたデバイスのドライバー名が表示されました。
「制限付きアクセス」と表示されてしまったら?
インターネットにつながっているようで、実はつながっていないのがこの状態。これも、パソコンに不具合がある場合とWi-Fiルーターに不具合がある場合の2種類の問題が考えられます。
IPアドレスが重複している
パソコンに問題がある場合は、上で説明した方法を試してみるほか、単に再起動するだけで解決することがあります。
これは、IPアドレスと呼ばれるネットワークの住所がほかの機器と重複してしまったために起こる不具合のことがあるから。どうしても固定したい場合を除いて、機器に割り振られるIPアドレスは、接続するごとに変動します。同じネットワーク内に固定したものがあると、まれにその機器と同じIPアドレスが割り振られてしまうのです。
固定すれば、解決しますが、ほとんどの場合、再起動すれば別のIPアドレスが割り振られ、接続できるようになります。
ログインが必要かも?
また、外出先のWi-Fiスポットなどの場合、「前に来たときにはネットにつなげられたのに」ということがあるかもしれません。そのようなときには、タスクバーの通知領域にあるネットワークアイコンをクリックして、そのWi-Fiスポットに接続しているかを確認し、ブラウザを立ち上げてみましょう。すると、ログイン画面が表示されます。(ブラウザによっては表示されないこともあります。その場合はInternet ExplorerかMicrosoft Edgeで試してみましょう)
以前に取得したアカウントやメールアドレスなどでログインすれば、インターネットに接続できるようになります。
省電力モードをチェック
さらに、パソコンが省電力モードになっていると、バッテリー節約のためにWi-Fiへの接続が制限されてしまうことがあります。これを「オフ」にしておきましょう。
この節約機能の「次回充電までのバッテリー節約機能の状態」は、普段室内で電源に接続しているときにはグレーアウトしており気づきづらい箇所。一旦、電源を外してから確認しておくのも良いかもしれませんね。
ポイント3:Wi-Fiルーターをチェック!
パソコン側に不具合がある場合の解決方法を先に述べましたが、Wi-Fiルーター側に不具合がある場合はどのようにすれば良いでしょうか。
この場合も、再起動させれば大抵は解決するでしょう。
ケーブル類をチェック
ルーターの裏を確認し、ケーブル類が中途半端に、または完全に抜けていないかを確認します。パソコン側でWi-Fiルーターまで実線で結ばれていたものの、そこから先が点線で表示されていた、という場合はこの状態のことが多くあります。
無線帯域をチェック
Wi-Fiルーターには、複数の無線帯域で機器と接続できるものがあります。「IEEE 802.11a/b/g/n」などといった表記を見たことはありませんか?
これらはWi-Fiの規格名を指しており、最も古い「a」では54Mbps(1秒間に54MBのデータをやり取りできる)、最新の「ax」では9.6Gbps(1秒間に9.6Bのデータをやり取りできる。いずれも理論値)という速度でデータをやり取りできます。
そして、「a」と「ac」では5GHz帯、「b」と「g」では2.4GHz帯、「n」と「ax」ではその両方の無線帯域と接続可能。5GHz帯では2.4GHz帯より伝送するデータ量が多いため、「IEEE 802.11n」に対応したパソコンをお使いであれば、5GHz帯のチャンネルでWi-Fiルーターと接続するように設定していたかもしれません。
ところが、肝心のWi-Fiルーターで5GHz帯の電波を飛ばしていなければ接続できません。設定した無線帯域のチャンネルで電波が飛んでいるかをチェックしたいところです。
▲機器によっては、無線帯域ごとにチェックできるLEDのないものもあります
Wi-Fiルーターの状態は、上のようにLEDの光で確認できます。こちらのルーターでは「青」が正常で「赤」が異常。お手持ちのルーターの取扱説明書で、「正常」な色で点灯しているかどうかを確認しましょう
電波状況が弱い可能性も?
「5GHz帯では2.4GHz帯より伝送するデータ量が多い」とお伝えしましたが、5GHz帯では2.4GHz帯より障害物に弱いという特性があります。そのため、5GHz帯のチャンネルで接続するよう設定していて、Wi-Fiルーターが別の部屋にある、別の階にある、という場合では、速度が落ちてしまい「つながりにくい」と感じることがあるかもしれません。
そのようなときには、思い切って2.4GHz帯に設定しなおすか、あるいは電波を中継する中継機の導入などを図ってみるのも良いでしょう。
同時接続台数の上限に達したかも?
古いWi-Fiルーターだと、同時接続台数が少ないものもあります。
しかし、今はパソコンやスマートフォンを各自で使っているほか、スマートスピーカーやスマートディスプレイ、スマート家電など以前より多くの機器が1台のWi-Fiルーターにつながっていることがあります。
▲Wi-Fiルーターによっては上図のようにスマホアプリを提供しているものもあります。パソコンからはブラウザを通して接続台数を確認できます
Wi-Fiルーターの近くにあるパソコンは有線LANで接続するか、あるいは思い切ってもっと接続台数の多い最新モデルのWi-Fiルーターに買い換えるのも手かもしれません。
ファームウェアアップデートを行ってみる
「中継しているだけでしょ?」と思いがちですが、Wi-Fiルーターにも中継という仕事をこなすための制御用プログラム(ファームウェア)があります。メーカーから定期的に新しいバージョンのファームウェアが配布されていますが、これを更新していないことから不具合が起こることも。
Wi-Fiルーターにログインし、ファームウェアアップデートがないかどうかを定期的に確認しましょう。ログイン方法は、各機器によって異なります。
全て抜き差しして再起動させる
「これまで、何事もなくつながっていたのに」上記の方法を試してもインターネットにつながらない場合は、どうすればよいでしょうか。落ち着いて、ルーターやモデム(または光回線の終端装置)の電源やケーブル類を一旦抜き、数分経ってから定められた手順でそれらを再接続しましょう。
時折、落雷や雷の放電(空中で鳴るだけ)の影響を受けていることもあります。そのような場合でも、上記の方法を試してみるとあっさりとつながることがありますよ。
ポイント4:そのほかの要因をチェック
入り口のモデムや光回線の終端装置をチェック
自宅でインターネットを使うには、インターネットサービスプロバイダー(ISP)と契約し、家の外から中に回線を取り込みます。その際に必要なのがモデムや光回線の終端装置(以下、ONU:Optical Network Unit)です。
ADSL回線やケーブルテレビ回線の業者と契約している場合はモデム、ビッグローブ光など光回線を使っている場合はONUで、それぞれの信号をデータに変換してインターネット接続ができるようになります。
それらの機器のケーブルは抜けていないでしょうか? または緩んでいませんか?
電源は入っているでしょうか?
これらをチェックしても、まだネットにつながらない、という場合はやはり再起動させましょう。一旦電源やケーブル類を抜き、数分後に手順に従って挿していきます。
プロバイダへの支払いが滞っていないか
頻度は高くありませんが、プロバイダへの支払いが滞っているために、回線を止められてしまったということがあるかもしれません。支払いに使っていたクレジットカードの有効期限が切れてしまった、払込用紙が届いていたのにすっかり忘れてしまった、などの場合です。
このような場合はプロバイダに連絡し、払込用紙を送ってもらう、新しい決済用のクレジットカード情報を伝えるなどして、支払いがスムーズに行えるようにしましょう。これにより、回線を復旧させることができます。
セキュリティソフトの暴走が原因かも
まれにあるのが、セキュリティソフトによるネット接続への干渉です。セキュリティソフトのアップデート直後、期限切れのソフトの継続利用、ファイアーウォールの設定などがトラブルの原因だと考えられます。
期限切れの場合は、新たにライセンスキーを購入するか、セキュリティソフトそものものをアンインストールしましょう。
セキュリティソフトによっては、Windows 10に組み込まれているセキュリティ機能「Windows Defender」をオフにしてしまっていることがあるため、設定から「更新とセキュリティ」→「Windows セキュリティ」へと進み、「Windows セキュリティを開く」で「セキュリティの概要」ウィンドウから「×」マークが付いているもの(機能が無効になっているもの)を「有効にする」ボタンをクリックして有効にしていきます。複数項目が無効にされていることもありますから、「有効にする」ボタンが表示されなくなるまで何度か操作が必要になることがあるでしょう。
ファイアーウォールの設定が原因の場合は、一旦無効にしてみましょう。タスクバーの通知領域にあるセキュリティソフトのアイコンをクリックし、表示されるメニューをたどってファイアーウォールを無効にできます。
この方法でインターネットに接続できたら、何度か有効/無効を繰り返してみましょう。それでも有効時に接続できないようであれば、サポートセンターに連絡するか、セキュリティーソフトそのものをアンインストールして、Windows Defenderに任せることができます。
セキュリティソフトのアップデート直後やその他セキュリティーソフトが原因だと思われる場合は、一旦セキュリティソフトを停止してから再起動してみましょう。これでつながればセキュリティソフトの設定を見直すか、ほかのソフトに変える、またはWindows Defenderを利用することもできます。
プロバイダ側のシステム障害
また、何らかの理由でプロバイダのメンテナンスなどによりつながらないこともあります。上記、全てを試してみてもインターネットにつながらない、という場合は、スマホなどインターネットに接続できる端末で「契約しているプロバイダ名」+「障害」というキーワードで検索し、状況を確認してみましょう。
いつ頃復旧するか、といった情報なども得られますよ。
テザリングでパソコンをネット接続している場合
回線キャリアに接続障害などの問題が起きている可能性も。
また、テザリングでパソコンをネット接続している場合は、データ通信量が上限を超えてしまって通信速度が制限されている恐れもあります。自分がどのくらい通信したかをご確認ください。
落ち着いて原因究明を!
インターネットに接続したいのにできないときにはイライラしますし、必要に迫られている場合は焦燥感にも駆られてしまいます。
それでもパソコン本体に問題があるのか、Wi-Fiルーターか、あるいはONUに原因があるのかを切り分けていけば、案外すんなりと解決するものです。単にケーブルが抜けていた(抜けかけていた)、何かの拍子にパソコンのネットワークでWi-FiがOFFになっていたというだけのこともありますよ。
インターネット接続のトラブルはネット検索ができなくなるので調べる手段が制限されて想像以上にやっかいです。そこで、あらかじめプロバイダーや回線キャリア、周辺機器のメーカーの問い合わせ先を紙に控えておくと安心です。
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