監修者
株式会社ビースリー 代表取締役 田和 充久
株式会社ビースリー代表取締役社長。1999年5月に検索エンジンやポータルサイト、インターネット通信回線事業を手掛けるエキサイト株式会社に入社。新規事業の責任者を務め、インターネットを通した事業開発に携わる。
2007年に起業し、株式会社ビースリーを設立。WEBマーケティング事業を始め、海外(タイ)にて食品事業を開始するなど、国内外に幅広く事業を展開している。事業外においては、NPO法人「格安SIMと格安モバイルWiFiの正しい選択方法の普及協会」を設立し、適切なインターネット通信回線情報の普及にも取り組んでいる。「一般財団法人インターネット協会」賛助会員。
株式会社イメージ⼯学研究所 代表取締役 清⽔ ⼤介
株式会社イメージ⼯学研究所 代表取締役。1997年、総合広告会社入社。通信キャリアの固定電話向けコンテンツサービスの立上げコンサルを行う。2007年にKDDIグループにジョイン。モバイル広告事業において企画営業、 新商品企画等担務を経て、 KDDIにて、コラボケータイ、新規協業メディアやauスマートパス等の新規事業の企画開発に携わる。
位置情報ビッグデータ分析ダッシュボード『KDDI Location Analyzer』等の新規事業を立上げ、位置情報データにおける全社利活用責任者に就任。 新型コロナウイルス対策における政府等公的機関への連携も統括している。2021年に独立。
KDDI在籍中11年の、新規事業スタートやビッグデータ利活用ビジネスを手がけた経験により、キャリアをはじめとした通信業界に精通している。 メディア掲載歴に「日経新聞」「ケータイウォッチ」が挙げられる。
目次
- 1 無料Wi-Fiスポットの危険性
- 1.1 被害の内容
- 2 被害を防ぐ対策
- 2.1 無料Wi-Fiスポットでやってはいけないこと
無料Wi-Fiスポットの危険性
外出先でインターネットをつなげたいことがあります。そんなときに手っ取り早いのが、無料Wi-Fiスポットです。カフェ、コンビニ、ファストフード店では「Wi-Fi使えます」は当たり前と言ってもいいくらい、無料のWi-Fiスポットが増えました。最近では、海外から来た観光客向けに自治体が設置しているものもたくさんあります。
回線の契約なしで、誰でも自由に使える便利なサービスですが、利用には注意が必要です。盗聴、ウィルス感染、乗っ取りなど、無料Wi-Fiスポットで多発しているインターネット被害という問題が現実に起きています。
被害の内容
- 通信内容を盗み見される
ネットバンクで入力した口座番号やパスワード、通販サイトの買い物でクレジットカード決済を行う場合のカード番号や有効期限が、盗み見される危険があります。 - 不正アクセス、ウイルス感染
スマホやパソコンが勝手に操作されて、保存している連絡先やURL、個人情報、プライベートな写真がコピーされるなど犯罪に悪用される可能性があります。
一般に開放されている無料Wi-Fiスポットは、利便性が優先されるため、安全性はどうしても低くなります。
また無料Wi-Fiスポット付近では、悪質な犯罪者が盗聴の機会を狙って、暗号化されていないネットワークを公開していることが多いです。
お店がサービスとして開放しているWi-Fiに接続したつもりが、見知らぬアクセスポイントに接続していることもあり得ます。
被害を防ぐ対策
自分の大切なスマホやパソコンを守るためには、セキュリティを万全にして防御対策をとるか、無防備なら無料Wi-Fiスポットを一切使わないかのどちらかです。自分が設定した長いパスワードが覚えられなくて、スマホのメモ帳機能に書き留めているような人は使わない方が賢明です。それでも、「どうしても!」ということはあります。
そんな緊急事態に備えて、無料Wi-Fiスポットを利用する際の注意点をまとめてみました。
無料Wi-Fiスポットでやってはいけないこと
- 暗号化されていないアクセスポイントは使わない
Wi-Fiネットワーク表示画面を開けたときに、カギのアイコンのないWi-Fiスポットには注意が必要です。 「None」「WEP」「WPA」などの表示がありますが、これは暗号化の種類を示すものです。 「None」はセキュリティ対策がされておらず、「WEP」は暗号化されてはいますが安全性が低くおすすめできません。「WPA」となっているWi-Fiを選ぶのが無難です。(あまり数は多くありませんが) - 正体不明のアクセスポイントに接続しない。
気づかずに怪しいWi-Fiに接続していることもあります。正しいWi-Fiにつながっているかを確認するためには、その無料Wi-Fiスポットを提供しているお店または場所が掲示している内容を確認して、もしもおかしなWi-Fiに接続していたら、すぐに接続を切りましょう。 - ログインが必要なページにアクセスしない。
無料Wi-FiスポットでのWi-Fi利用は、WEBページの閲覧程度にとどめておくべきです。ID・パスワードを使ってログインするネット利用は、パスワードを盗まれる可能性があります。ネット通販などはもってのほかで、重要な個人情報を含むやりとりは避けるべきです。 - 個人情報を含むアプリを使わない。
個人情報を抜かれる可能性が高く、仮に想定すると出会い系アプリなどを使っていて、その情報が漏えいなどすると脅しにも利用されかねません。(過去事例があるわけではなく、あくまでも最悪のケースとして想定したものです) - 常にWi-Fiへの接続を許可している設定にはしない。
Wi-Fiを常に接続許可してしまうと、知らぬ間に正体不明のアクセスポイントに接続してしまう可能性があります。無料Wi-Fiスポットでインターネットを使う用事が済んだらWi-Fi機能を OFF にするのを忘れてはいけません。「つながらない」ことも、悪質なネット被害から大切なスマホを守る対策です。
もちろん、無料Wi-Fiスポットは外出先では非常に便利です。 ただし、便利さの裏に危険が潜んでいることを踏まえたうえで利用することが重要ですよ。
フリーWi-Fiとは
フリーWi-Fiとは、無料で誰でも利用できるWi-Fiスポットのことです。公衆無線LAN・フリースポット・ホットスポットなどと呼ばれることもあります。フリーWi-Fiが利用できる場所は、駅・飲食店・病院・ホテル・コンビニ・公共施設などさまざまです。外出先で業務が多い企業にとっては、手軽にインターネットの利用ができるため、利便性が高いといえるでしょう。
危険なフリーWi-Fi
フリーWi-Fiは、手軽にインターネットを利用できる便利なものですが、リスクもあります。ここでは、どのようなフリーWi-Fiに危険があるか紹介します。
暗号化していないフリーWi-Fi
通信内容を暗号化していないフリーWi-Fiを利用すると、SNSやメールをのぞき見されたり、閲覧しているWebサイトの履歴を窃取されたりするリスクが高まります。のぞき見されると、名前や住所などの個人情報が流出してしまい、悪意ある第三者に悪用される可能性があるでしょう。個人情報をもとにサイバー攻撃を仕掛けられることもあるかもしれません。
また、通信内容が暗号化されていてもWi-Fiの利便性を高めるため、暗号化キーが公開されているケースもあります。一定のスキルと暗号を解析するツールで、通信内容が盗聴される厄介な特徴を持っています。
正規によく似た偽のWi-Fi
正規のフリーWi-Fiと同名か似た名前で、偽のWi-Fiが存在することもあるため、注意が必要です。悪意ある第三者により設置された偽のWi-Fiに接続してしまうと、乗っ取りや遠隔操作の被害を被る可能性があるでしょう。
端末を乗っ取られると、不正アプリのインストールや詐欺に利用される事態も考えられます。また遠隔操作により、ECサイトで大量の商品を購入させられるといった危険性もあります。
万が一危険なWi-Fiに接続した場合、セキュリティソフトを導入しておくことで、被害を最小限に抑えられるでしょう。以下のボタンより無料で一括資料請求ができるので、セキュリティ対策の参考にしてください。
フリーWi-Fiを利用するセキュリティ対策
フリーWi-Fiの利用時に効果的なセキュリティ対策を紹介します。
正規のフリーWi-Fiを利用する
提供元不明なWi-Fiではなく、店舗などから正式に提供されているWi-Fiの利用がおすすめです。店舗でWi-Fiを利用する際は、危険な偽Wi-Fiにアクセスしないよう気を付けましょう。ネットワーク名に「Free」「Public」が記載されたフリーWi-Fiは提供元が不明で、特に危険なケースが多いため、アクセスは控えましょう。
暗号化されているか確認する
Wi-Fiの暗号化方式には「WPA」「WPA2」「WEP」の3種類があります。WEPは古い技術の暗号化方式で脆弱性が発見されているので、接続しないようにしてください。WEPに接続しようとするとiOSの場合は警告文が表示され、Androidの多くはネットワーク名の下に暗号化方式のタイプが表示されます。
Windowsでは「ネットワーク設定」で、暗号化タイプの確認が可能です。「タスクトレイ」の中にあるWi-Fiのアイコンをクリックすると、ネットワーク設定画面を確認できます。どのタイプの暗号化方式が用いられているかを確認するようにしましょう。
個人情報を入力しない
フリーWi-Fiの利用時は、Webの閲覧程度に留めましょう。暗号化されていても、ID・パスワードを入力するページやECサイトを利用すると、クレジットカード情報やパスワードを窃取されるおそれがあります。また、メールやSNSのチェックも内容をのぞき見される可能性が高いため、利用を避けるのが賢明です。
自動接続をOFFにする
外出時は、パソコンやスマートフォンのWi-Fiへの自動接続をOFFにしましょう。自動接続をしていると、安全性の低いフリーWi-Fiに接続してしまうおそれがあります。フリーWi-Fiの利用時のみ接続を許可し、こまめなON・OFFの切り替えを心がけましょう。
https化されたサイトのみ利用する
「https」からはじまるサイトでは、SSLと呼ばれる暗号化技術で通信状況を保護しています。そのため、のぞき見の心配はほぼありません。暗号化されていない「http」からはじまるサイトではなく、暗号化された「https」からはじまるサイトを利用しましょう。暗号化されているか確認する方法は、URLが表示されているアドレスバーの左側に鍵マークが表示されます。
VPNを活用する
VPNを導入することで、フリーWi-Fiを使用した通信も暗号化できます。拠点間の通信を仮想的なプライベートネットワークで脅威を防止するため、暗号化されていないフリーWi-Fiの安全性を高めます。
セキュリティソフトを導入する
万が一、危険なWi-Fiに接続して端末の乗っ取りなど被害を受けた場合でも、セキュリティソフトの導入でリスクを軽減できるでしょう。不正サイトのアクセスやウイルス感染を防ぐなどさまざまな機能があります。
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フリーWi-Fi以外で安全に接続を行う方法
外出先でフリーWi-Fiを利用せず、インターネットに接続する方法を紹介します。
テザリング
テザリングはスマートフォンの通信機能を利用し、パソコンやタブレットをインターネットに接続する機能です。スマートフォンをWi-Fiルーターとして活用できるのがメリットです。しかし、インターネット接続に多くの容量を使用するため、通信量の制限に注意する必要があるでしょう。
モバイルWi-Fi
モバイルWi-Fiは携帯できるルーターを使い、パソコンやスマートフォンをインターネットに接続する方法です。比較的大容量の製品が多いため、通信容量を気にせず使用できるでしょう。フリーWi-Fiよりも安全にインターネットに接続できます。利用時は、接続できるデバイスを制限できるよう、各自でSSIDとキーを設定しましょう。
フリーWi-Fiの危険性を理解して自社にあう対策をしよう
外出先でのインターネット利用では、危険なフリーWi-Fiに気を付けましょう。危険なWi-Fiの利用には通信内容のぞき見や、乗っ取り・遠隔操作されるなどの危険性があります。正規のWi-Fiを利用し、通信が暗号化されているか確認をしましょう。また暗号化されている通信でも、個人情報の入力はせずSSL化されたサイトの利用をおすすめします。
万が一、危険なWi-Fiに接続した場合でも被害を軽減するために、セキュリティソフトの導入も検討しましょう。