エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

健康は食べることからといわれています。
栄養バランスのいい食生活を、といわれても具体的にはどのような栄養をどれくらい摂取したらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで活躍するのが栄養素一覧です。

この記事では以下について解説していきます。

  • 栄養素の分類方法とは
  • 五大栄養素とは
  • 食事バランスガイドとは

ぜひ最後までご覧いただき、栄養素の一覧を健康のためにお役立てください。

栄養について興味がある方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

目次

  • 1 栄養素の分類方法
  • 2 栄養素の種類と効果、摂取方法一覧
  • 3 「食事バランスガイド」を活用しよう
  • 4 栄養素一覧のまとめ

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栄養素の分類方法

エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

栄養素の分類方法と一覧は、私たちが普段の食事の中で栄養素が偏らないように考案されました。
食育の一環として子どもにもよくわかるように工夫されています。

改めて現在の食生活と重ね合わせてみて、足りないものはないか、摂り過ぎているものはないかなど栄養素の一覧を再確認して見直してみるといいでしょう。

五大栄養素

最も浸透しているのが五大栄養素の一覧ではないでしょうか。

五大栄養素は以下の5つです。

  • 糖質
  • 脂質
  • たんぱく質
  • ビタミン
  • ミネラル

人は食物からエネルギーを得ており、エネルギー源となる栄養素には「糖質」「脂質」「たんぱく質」の三大栄養素があります。

三大栄養素を効果的に体に取り込む働きをするのが「ビタミン」と「ミネラル」です。
この二つを加えて五大栄養素といわれています。

三色食品群

栄養バランスを考えて食生活をわかりやすく色分けしたのが三食食品群の一覧です。
三色とは「赤」「黄」「緑」でそれぞれ、栄養素と具体的な食品をあらわしています。

色や栄養素については以下の通りです。

栄養素 効果 食品の具体例
たんぱく質 ミネラル 血液・筋肉・骨などを作る 魚・肉・豆類・卵・乳製品・海苔・わかめ・小魚など
炭水化物 脂肪 身体や脳を動かすエネルギー源 穀物・砂糖・イモ類・オイル・バター・  マヨネーズなど
ビタミン ミネラル 身体の調子を整え、三大栄養素を活発化させる 緑黄色野菜(カボチャやホウレンソウ)・   単色野菜(キャベツや玉ねぎ)など

6つの基礎食品群

食材を栄養素ごとに6つに分類し、覚えやすく栄養バランスのよい食生活を送るために考案された一覧です。

家庭科の授業などで、一度は見たり聞いたことがある一覧ではないでしょうか。

6つの基礎食品群は以下の通りです。

効果 食品の具体例
1群 たんぱく質で骨や筋肉を作り、エネルギーの元となる栄養素 魚・肉・卵・大豆
2群 カルシウムで骨や歯などを作り、身体の機能を調整する栄養素 牛乳・乳製品・魚
3群 カロチンで皮膚や粘膜を保護して身体の調子を整える栄養素 緑黄色野菜
4群 ビタミンCで身体のあらゆる機能を調整する栄養素 その他の野菜・果物
5群 炭水化物でエネルギーの源となる栄養素 炭水化物・イモ類
6群 脂質でエネルギーの源となる栄養素 油脂

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栄養素の種類と効果、摂取方法一覧

エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

五大栄養素といわれる「糖質」「脂質」「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」の働きや多く含まれる食品、摂取に当たって注意したい点について解説していきます。

糖質(炭水化物)

糖質というと「甘いもの」をイメージしますが、栄養学での糖質は、炭水化物から食物繊維を除いた栄養素を指します。

糖質の種類にはブドウ糖などの「単糖類」、乳糖などの「二糖類」、でんぷんなどの「多糖類」の3種類があります。

糖質の役割とは

糖質の主な役割は、エネルギー源になることです。

糖質は、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられ、身体を動かすときに消費されます。
さらに、単糖類のブドウ糖は、脳の活動エネルギーとなる栄養素です。

極度の糖質制限などをすると、頭がボーッとしてしまいます。

糖質を多く含む食品とは

糖質を多く含む食品は、お米や小麦粉といった主食を始め、イモ類、砂糖などがあります。

糖質摂取での注意点とは

糖質は、身体や脳のためのエネルギー源としてなくてはならない栄養素です。

しかし、糖質を過剰に摂取することで、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病を患ってしまうリスクがあります。
吸収の早い糖質は、血糖値の乱高下が激しいため、身体に負担を掛けやすくなります。

さらに、脂肪に置き換えられやすくなり、中性脂肪が増えてしまいます。
糖質が気になる方は、白米より玄米、食パンよりも全粒粉パンにすると血糖値が上がりにくくなります。

脂質

脂質は、糖質と同じように身体のエネルギー源となる栄養素です。
栄養素の中では最もカロリーが高く、一グラム当たり9カロリーあります。

脂肪は一般的に不足しにくい栄養素といわれています。
しかし、無理なダイエットや極端な偏食などで脂肪が不足すると、肌がカサカサになったり、発育障害になったりします。

脂質の役割とは

脂質の役割は、効率のいいエネルギー貯蔵です。
また、細胞膜や血液、ホルモンの原料となり、脂溶性のビタミンを吸収しやすくする役割もあります。

脂質を構成する重要な部分が「脂肪酸」と呼ばれる成分で、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があります。

飽和脂肪酸は主に動物の油で酸化しにくく、常温ではラードのように固まっているので「固い脂肪」とも呼ばれています。
不飽和脂肪酸は主に植物性由来で、常温では液体でコレステロールを下げる働きがあります。

脂質を多く含む食品とは

脂質を多く含む食品はたくさんあります。

油脂類はもちろんのこと、脂身のある肉類、チーズ、ナッツ類、菓子類などに多く含まれています。

脂質摂取での注意点とは

脂質のなかでも健康のためにはできるだけ「不飽和脂肪酸」を摂取することです。

ただし、注意したいのが不飽和脂肪酸の中のトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸はマーガリン、フライドポテト、アイスクリーム、ドーナッツなど植物性油脂を加工した食品に多く含まれています。
トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させ、逆に善玉コレステロールを減少させます。

心臓病などのさまざまな病気の引き金になり、さらに厄介なのは一度体内に入ると分解されにくい特徴があることです。
加工品や冷凍食品などに多く含まれているので注意が必要です。

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エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

たんぱく質

一般的に、たんぱく質は筋肉の原料となることがよく知られています。

たんぱく質はアミノ酸が集合してできており、体内に吸収されると再びアミノ酸に分解されます。

たんぱく質の役割とは

たんぱく質の役割は、筋肉の原料となるだけではありません。
血液中の酸素を身体全体に運ぶ「ヘモグロビン」や肌にハリを与える「コラーゲン」、髪の毛や爪の成分「ケラチン」など、すべてたんぱく質です。

また、たんぱく質は糖質、脂質と同じく、エネルギー源にもなります。
エネルギー消費の優先順位は、糖質が最初で、次に脂質、そしてたんぱく質となります。

無理なダイエットなど食事制限で糖質や脂質が極端に少なくなると、たんぱく質が大量消費されます。
それにより、筋肉が萎む、髪がパサパサになる、爪が割れるといった症状があらわれます。

たんぱく質を多く含む食品とは

たんぱく質が多い食品は肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品があります。

しかし、上記のものだけ食べていればたんぱく質が足りるというものではありません。
たんぱく質はたったひとつのアミノ酸が不足しても合成されないからです。
それぞれの食品に含まれるアミノ酸は、種類や数や組み合わせが異なっています。

そのため、いろいろな食品からアミノ酸を摂取することが大切です。

たんぱく質摂取での注意点とは

たんぱく質のもとであるアミノ酸は、体内で合成できるアミノ酸と合成できないアミノ酸があります。

合成できないアミノ酸は9種類あり「必須アミノ酸」と呼ばれていて、食事で摂取しなくてはなりません。
9種類の必須アミノ酸のうち一つでも足りないとたんぱく質としての栄養価値が下がってしまいます。

どの食品から、より完璧なたんぱく質を摂取できるのかを指標としたものが「アミノ酸スコア」になります。

たとえば、アミノ酸スコアが100点とされている食品は「卵」「鶏肉」「鮭」「牛乳」です。

大豆は86点、小麦は37点となっています。
小麦などの穀物には、必須アミノ酸である「リジン」が不足しており、それを補うためにリジンが豊富に含まれる鶏肉と一緒に食べるなど工夫が必要になります。

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ビタミン

ビタミンは、身体の機能を正常に維持するためには、不可欠な栄養素です。
ビタミンは体内ではほとんど合成されないため、積極的に食品から摂取しなければなりません。

ビタミンの役割とは

ビタミンというと美容にいいというイメージがあります。
もちろん、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがありますが、それだけではありません。

ビタミンBは、糖質や脂質をエネルギーに変換するときに必要ですし、ビタミンA、C、Eは、抗酸化作用によって免疫力の低下を防いでくれます。

ビタミンを多く含む食品とは

水溶性ビタミンを多く含む食品は「レバー」「かつお」「納豆」「ほうれんそう」「レモン」「イチゴ」「カボチャ」などがあります。
脂溶性ビタミンを多く含む食品は「レバー」「うなぎ」「ニンジン」「ナッツ類」「鮭」「植物油」などがあります。

水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの違いは次の段落で解説します。

ビタミン摂取での注意点とは

ビタミンには大きく分けて「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」があります。

脂溶性ビタミンはビタミン「A」「D」「E」「K」などがあり、体内で蓄積できるビタミンです。
脂溶性ビタミンは、過剰摂取することで頭痛や、口唇炎、脱毛症、食欲不振、筋肉痛などの症状があらわれることがあります。

水溶性ビタミンはビタミン「C」「B1」「B2」「B6」などがあり、体内に蓄積できないビタミンです。
また、水溶性ビタミンは身体の外に排出されてしまうため、こまめに摂る必要があります。

ミネラル

栄養素としてのミネラルは「鉄」「カルシウム」「ナトリウム」「亜鉛」「マグネシウム」などがあります。

ミネラルの役割とは

ミネラルの役割は、骨や歯の原料となったり、神経・筋肉の機能の維持などを行います。

さらに、酵素の材料や貧血の予防といった役割があります。

ミネラルを多く含む食品とは

  • カルシウムが多い食品:モロヘイヤ、チーズ、牛乳
  • マグネシウムが多い食品:ひじき、アーモンド、枝豆
  • ナトリウムが多い食品:しょうゆ、みそ、漬物
  • リンが多い食品:しらす干し、スモークレバー、ロースハム
  • カリウムが多い食品:スルメ、アボカド、バナナ

ミネラル摂取での注意点とは

ミネラルは、欠乏することで起こる症状だけでなく、過剰摂取することで健康被害が起こります。
カルシウムが不足すると骨粗鬆症のリスクが高まります。
そして鉄が欠乏すると貧血になります。

ナトリウムを過剰摂取することで高血圧となり、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。
さらにリンを過剰摂取することでカルシウムとのバランスが崩れ、骨が脆くなってしまいます。
とくに、サプリメントでミネラル補給している方は過剰摂取になりやすいので注意しましょう。

「食事バランスガイド」を活用しよう

エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

食事バランスガイドは、フードガイドとして2005年に厚生労働省と農林水産省により策定された一覧です。

「何をどれだけ食べたらいいのか」を料理で一覧表示されていることが特徴です。
「何を」はコマの形で一日に食べる目安が多い順に上から5つの料理区分で表示され、「どれだけ」は「つ(SV)」という単位で示されています。
(SV)はサービングという一回の食事の標準的な量を表す単位です。

コマはバランスが崩れると倒れてしまうことから、栄養バランスの大切さをメッセージとして込めたものです。

たとえば主食であるご飯やパン、麺類は、一日に摂る量は「5~7つ(SV)」です。
市販のおにぎり一個分は「一つ分」に当たります。

このようにまずは大雑把でいいので一日の食事のバランスを振り返るツールとして利用してみてはいかがでしょう。

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エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

栄養素一覧のまとめ

エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

ここまで栄養素の一覧について紹介してきました。

その要点を以下にまとめます。

  • 栄養素の分類方法は「五大栄養素」「三色食品群」「六つの基礎食品群」がある
  • 五大栄養素は「糖質」「脂質」「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」
  • 食事バランスガイドとは「何をどれだけ食べたらいいのか」をあらわした指標

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

エネルギーになる栄養素は、何大栄養素?

エネルギーの成分は?

エネルギーとは、人間が身体を動かすために必要な活動の源であり、食品の中で主にエネルギー源として利用できるのは、たんぱく質、脂質、炭水化物の3大栄養素となります。

5大栄養素の種類は?

五大栄養素 食品に含まれている栄養素のこと。 炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミンの5つを表します。

エネルギー源のビタミンは?

ビタミンB群は、糖質、脂質、タンパク質からのエネルギー代謝過程に欠かせない補酵素として作用します。 運動時、筋肉を動かす原動力になるのは、ATP(アデノシン3リン酸)というエネルギー源物質です。 糖質や脂質を分解し、ATP生成を続けるために、ビタミンB群をバランス良く摂取することが非常に重要な意味を持つのです。

5大栄養素の3つの働きは?

食品に含まれる栄養素であり、炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質(ミネラル)、ビタミンのことを言います。 栄養素の役割を大きく分けるとつに分類されます。 1つ目は身体をつくること、2つ目は身体を動かすエネルギーになること、3つ目は身体の調子を整えること。