薬剤師国家試験 令和04年度 第107回
日本薬局方収載センナに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。 1 マメ科植物Cassia angustifolia
VahlまたはCassia acutifolia Delileの小葉を基原とする生薬である。
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VI-2.のり状の液 デンプン類は水を加えて煮沸し放冷すると混濁した中性ののり状の液となる。
X.バニリン・塩酸試液: フェノール性水酸基・フラン環を有する成分は呈色するのでそれらを含む生薬の―部に用いられる。
XII.塩化鉄(III)試液: 一般に、オルト位に水酸基あるいはカルボニル基をもつフェノールは第二鉄イオンが右図のように配位して発色する。タンニンはカテコール、 ピロガロール残基を多くもつのでとりわけ強く発色する。(タンニンの構造、タンニンとは何か参照)また、5位に水酸基を有するフラボノイドでも強く発色する。
XIII.鉛塩・バリウム塩・カルシウム塩: ポリフェノール類や酸性多糖などの検出に使用される。酢酸鉛試液・次酢酸鉛試液・水酸化バリウム試液・水酸化カルシウム試液として用いられ、沈澱生成で確認する。
XV.フェーリング試液: 還元性のある糖を加えて煮沸すると亜酸化銅の燈赤色沈殿を生ずるので、オウセイとシャゼンシの粘液質に含まれる還元糖の検出に用いられる。
XX-I.各アルカロイドに特異的な呈色反応: 日本薬局方収載生薬の確認試験に利用されているものでは、Vitali反応:トロパン系アルカロイド(→ロートコン)、Ehrlich反応(4-ジメチルアミノベンズアルデヒド試薬):インドール系アルカロイド(→ゴシュユ)、Snelling反応:トコンアルカロイド(→トコン)、Labat試薬によるメチレンジオキシ基の呈色や過酸化水素試液による塩化ベルへリンの呈色:ベルベリン系アルカロイド(→オウレン、オウバク)、重クロム酸カリウム塩の硫酸による呈色:ストリキニーネ(→ホミカ)がある。 2.定量試験
―般試験法中の生薬試験法の項に水分や土砂および対象を特定の化合物におかないで成分含有量を知る目安とする試験法が、また医薬品各条には有効成分や特異成分を対象とする定量法が規定され、これらを必要とする生薬の各条には規格値が設定されている。(→生薬試験法)
VI. 特定の成分を対象とする試験 |