最終更新日:平成29(2017)年3月3日 Show
社団法人日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説JASS5鉄筋コンクリート工事(以下、「JASS5」という。)」-2015年版に定められている構造体強度補正値の適用期間等について、下記のとおり定めました。本適用期間については、工事施工者等とよく相談の上、施工条件や打設地点における気温の変動等の状況を十分に配慮し、使用する必要があります。 第1 建築工事における構造体強度補正値について
建築基準法施行令第74条においては、「コンクリートは、打上りが均質で密実になり、かつ、必要な強度が得られるようにその調合を定めなければならない。」とされている。この法令に基づく「設計基準強度との関係において安全上必要なコンクリート強度の基準」(昭和56年建設省告示第1102号)(以下、「告示第1102号」という。)では、特別な調査又は研究の結果に基づき構造耐力上支障がないと認められる場合を除き、一定の試験体について圧縮強度試験を行い、当該試験によって得たコンクリートの強度が設計基準強度以上であること等を求めている。 第2 都内における標準的な適用期間 JASS5-2015「5節
調合」の表5.1に対応する、材齢28日の場合の東京都内における標準的な適用期間を表1・1から表1・7までに示す(これらを補完するための参考として、近接県の各市の適用期間を参考表1・1から参考表1・4に示す)。また、現場水中養生供試体による判定基準強度適用期間を、表2に示す。 第3 適用期間の計算方法(1) 各表の適用期間は、打ち込みから強度管理材齢までの期間の予想平均気温(以下「予想平均気温(t)」という。)について、過去10年間(2006年(平成18年)から2015年(平成27年)まで)の気象庁統計資料を基に計算し、算出した。 (2) 予想平均気温(t)は気象庁統計資料の日平均気温の「日別値」から、気象庁の統計方法に準拠し「日別平滑平年値」を求め、これを打ち込みの日から強度管理材齢の日まで合計し、強度管理材齢の数で除して求めた。また、数値は小数第2位を四捨五入し、小数第1位まで求めた。なお、閏年の2月29日の数値は削除した。 (3) 暑中コンクリートは、JASS5-2015年の13節において、「暑中コンクリート工事の適用期間は、日平均気温の平年値が25℃を超える期間を基準とする」とされている。ここでは、上記(2)の「日別平滑平年値」が25℃以上になる期間とし、日数加算による補正はしていない。実務的には、生コンコンクリート生産者との協議が必要となる。 表1・1 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(東京都・大手町)
表1・2 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(東京都・府中市)
表1・3 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(東京都・八王子市)
表1・4 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(東京都・青梅市)
表1・5 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(東京都・大島)
表1・6 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(東京都・三宅島)
表1・7 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(東京都・八丈島)
参考表1・1 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(横浜市)
参考表1・2 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(千葉市)
参考表1・3 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(東京都・所沢市)
参考表1・4 JASS5に基づく構造体温度補正値の適用期間(秩父市)
表2 JASS5に基づく現場水中養生供試体による場合の判定基準強度適用期間
お問い合わせ先 都市整備局 市街地建築部 建築企画課 建築担当 JASS5の設計基準強度は?日本建築学会JASS 5 鉄筋コンクリート工事 建築工事標準仕様書の3.4 品質基準強度によれば次のように規定されています。 コンクリートの設計基準強度は、18,21,24,27,30,33及び36N/mm2を標準とする。 と規定されております。
マスコンクリートの寸法は?「massive concrete」は直訳で「大規模」という意味があります。 それをカタカナ言葉に訳したものが「マスコンクリート」です。 JASS5によれば、最少断面が壁、梁部材で80cm以上、マット状、柱状で100cm以上のものが目安になります。
マスコンクリートのスランプ値は?スランプは,15cm 以下を標準とする. ただし,高性能 AE 減水剤または流動化剤を用い る場合は,18cm 以下とすることができる.
マスコンクリートの注意点は?施工する際に最も注意するべきものは温度ひび割れです。 マスコンクリートは部材寸法が厚いため、コンクリートの表面部と内部に温度差が生じやすいので、コンクリート構造物に発生するひび割れの主要な要因のひとつに、水和熱に起因する温度応力が挙げられています。
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